『青に捧げる悪夢』 恩田 陸 ほか/角川書店 | うさぎの本棚

『青に捧げる悪夢』 恩田 陸 ほか/角川書店

青に捧げる悪夢
青に捧げる悪夢

豪華著者によるミステリーアンソロジー!ということで図書館で借り出ししたのだけれど…本を受け取った時表紙を見てちょっと嫌な予感。ネット画像で見た時は気付かなかったんだけど表紙いっぱいのドクロの絵。でもでも、ミステリーアンソロジーって紹介してあったから大丈夫よね!と自分に言い聞かせ読み始めた。

恩田さんの『水晶の夜翡翠の朝』は『麦の海に沈む果実』のヨハンが主人公。全寮制の学園内で、『笑いカワセミ』というゲームを発端に次々と事件が起こっていく。恩田さんの作品のなかでも好きな『麦の海~』の続編(?)ということで安心して(ドキドキしながら)読めた。この学園ってなんだか『ハリー・ポッター』の「ホグワーツ魔法魔術学校」っぽい。

近藤史恵さんの『水仙の季節』は双子トリック。双子ものってだいたいオチがこうなるものが多い。いくら一卵性だからってどうなんだろうか? なんだか短絡的すぎる感あり。

このあたりまでは、まだよかった…。し、しかし小林泰三さんの『浚われて』は真剣気持ち悪くなった。こ、これはミステリーじゃなくて正真正銘のホラーじゃないか! 私はホラーは苦手、いや、嫌いなのだ。気持ち悪いのや精神異常系って特にだめ。乙一さんの『階段』なんかもう、すごすぎる。
映像が思い浮かぶからますます気持ち悪くなる。

ホラー好きの人には物足りないのかもしれないが、私はもう、辟易した。これが本当にミステリーアンソロジーなのだろうか…。