うさぎの本棚 -3ページ目

『デセプションポイント』上 ダン・ブラウン

デセプション・ポイント 上
デセプション・ポイント 上
『ダ・ヴィンチ・コード』と『天使と悪魔』は
扱っているテーマも似てたし、
どちらも蘊蓄の嵐…という点では
シリーズものだな…という感じで楽しめた。

この『デセプションポイント』はちょっと違った感じだ。
NASAと大統領選が扱われている。
前2作のノリで読み始めたので
なかなか入り込めず、中だるみもあったけど
後半面白くなってきた…そこで上巻終わり。

下巻はまだ予約待ち状態。
早くまわってこないかしら♪


ストーリーとは関係ないのだけど
大好きなDavid BowieのThe Spiders from Marsが
ちらっと登場していてニンマリ♪

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『百万の手』 畠中 恵

百万の手
百万の手
燃えさかる家に飛び込み焼死した親友。
親友を死に追いやった放火犯探しが行き着く恐るべき真相とは?


放火事件の真相を追っているうちに
話はなんだかとんでもない方向に進んでいく。
ええええ?こーんな壮大な話になっちゃうの?って感じ。

最初は亡くなったはずの親友が携帯電話のなかに現れて
夏貴と二人で事件の真相解明か!という展開だったんだけど
なんだか途中からすっかり違う方向へ話が向かってしまった。
まるで前半と後半で全く違う作品かのように…。

冒頭での母親の夏貴に対する過剰な執着は
鳥肌物の気持ち悪さだったのだけど
いつの間にかそれもなくなっちゃてるし…。
重要な役だと思われた登場人物が
どんどん途中退場してしまって
え?あの人どうなったの?通りすがりの人?
という感じだったし…。
色々な問題や登場人物たちが中途半端に利用されて
収まりがつかないまま宙ぶらりん状態のままで
物語は終わってしまっている。

社会的テーマが盛り込まれている割には
その辺の突っ込みがあまいし…。
犯人の動機もなんだか納得しきれないところがある。
多くのプロットを盛り込もうとしすぎて
アウトオブコントロール!というところだろうか。

タイトルもちょっと思わせぶりというか
こじつけというか…。
作品中にタイトルはこういうところから
つけられたんだよ…と無理矢理説明を入れているのでは
と思われる部分も何カ所かあった。

ただ、母親の再婚相手となる東はキャラがたっていて
いい味だしていた。
最初は胡散臭かったのだけど、実はとっても頼りになる人。
後半、夏貴と東がコンビを組んで真相究明するようになってから
ぐっと面白くなった。
結局は、夏貴と東をもっと描き込んでこの二人をメインに
もってくればもっと面白かったのでは?

ま、この味のあるコンビの魅力に引っ張られて
結局のところは一気読みしてしまったのだけど…。

『グランド・フィナーレ』 阿部 和重

グランド・フィナーレ グランド・フィナーレ 芥川賞受賞作。 主人公の沢見は、ロリコンで、 自分の子どもや、他の子どもの裸の写真を撮ったり、 性的な関係を持ったりしていた。 このことが、妻にばれて離婚。 仕事も失い、最愛の娘とも会うことができなくなる。 奈良の少女誘拐殺人事件を思い起こさせるかのような設定。 正直、他3つの短編も含め、拒絶反応…。 登場人物の誰にも共感も感動もできなかった。 主人公ははっきり言って犯罪者。 娘と会えなくなることだけで罰せられたとは思えない。 こういう時期になぜこんな内容のものが 芥川賞をとれるのか疑問。 この主人公、ロリコン性向以外は いたって普通の人のように描かれている。 おたくっぽい、いかにも…という人だけでなく こういう人まで…と思うと子どもを持つのが 恐ろしくさえなってしまう。

本日の図書館借り出し本

■■■ 本日の図書館借り出し本 ■■■

『義経』下 司馬 遼太郎/文春文庫
『駆けこみ交番』乃南 アサ/新潮社
『君たちに明日はない 』垣根 涼介/新潮社
『デセプション・ポイント』上 ダン・ブラウン/角川書店
『ミリオンズ』 フランク・コットレル・ボイス/新潮社
『羊をめぐる冒険』上 村上 春樹/講談社
『HTML&JavaScript上級テクニック集』/ナツメ社

前回借りた本もまだ読めていないというのに
予約していた本がとっちゃりとまわってきてしまった。
司書さんに次の人に先にまわしてもらうわけにいかないか
聞いてみたけどダメらしい。

インターネットで予約できるようになったのは
とても便利なんだけど、
自分が何番目で待っているのかがわかると
もっと便利なんだけど…。
新刊本なんか当分まわってこないだろうと
せっせと予約を入れたらすぐにまわってきちゃうし。
なかなか予想できない動きをなさります。

『義経』は前回予約を入れて1週間以上とりにいかなかったら
流れてしまい、再予約したもの。
もうまわってきてしまった。
大河ドラマの影響はないのかしら?
新選組の時は関連本が片っ端から予約でうまっていたのに…。

『駆けこみ交番』はなんと!初乃南作品。
まだまだ読めていない作家さんたくさんいるのよね。

『デセプション・ポイント』は『ダ・ヴィンチ・コード』に
はまってしまった者としてはやはりおさえておかなければね。
『天使と悪魔』を読んでいたおかげで
今回のコンクラーベのことも何それ?にならなかったし…。
今回はどんな内容なのかしら…。

『羊をめぐる冒険』はこりもせずにまた借りてしまった
村上作品。
『ペンギンの憂鬱』がこの作品と雰囲気が似ているとの
ことだったので、
それならば面白く読めるかも…と挑戦。

TBステーション「おすすめ読書術」

「忙しくてなかなか読む暇がない」
だから本を全く読まないっていう人は
それでいいんじゃないかと思う。

どうしても読みたかったら
睡眠時間を削ってでも読むだろうし…。

私は毎日帰宅は午前様。
それでも読みたい時には
10分でもいいから読書時間をとる。
逆に休みの日で時間があっても
全く読まないこともある。

面白くない本だと薄い本でもなかなか進まなくて
何日も抱えていることもある。
逆に面白い本だと分厚いものでも
夢中になってすぐに読んでしまうことも…。

面白くなければ潔く投げ出して
次の本にとりかかる。
これも読書術かしら?

読みたい時に、読みたいものを、読みたいだけ読む。
これでいいんじゃないかしら?

「象の消滅」 短篇選集 1980-1991/村上 春樹/新潮社

「象の消滅」 短篇選集 1980-1991
「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

小学生のころ、国語の授業は大嫌いだった。
「この主人公はなぜこんなことをしたのでしょう?」とか
「主人公はこのときどう思ったでしょう?」
なんて質問をされ、思った通りに答えると、
「そういうことも考えられるかもしれません
でも、もっと当てはまる答えがありませんか?」
などとうやむやな反応がかえってくるのがいやだったから。
私としては今の答えは正解なの?不正解なの?と
はっきりしないまま、モヤモヤした気分になっていた。
それに比べて算数は正解と不正解がはっきりしていて
なんとも気持ちが良かった。
中学・高校生になってもこの思いをひっぱっていて、
「現代文」「古文」「漢文」のどれも全く興味を持てなかった。

大学を選ぶときにも、英語の方に進みたかったのだったが、
英文科だけには絶対に行きたくなかった。

元々はっきりしないことが嫌いで、
人付き合いでもはっきりしない人はどうもイライラしてしまう。

こんな私が…村上春樹作品を読んでしまった。

この短篇集は、以前アメリカで刊行されたものを
日本で逆輸入出版したもの。
実際、英訳されたものを村上氏が和訳した作品もある。
その他にも日本で出版されたものに加筆、修正したものもある。

既に日本版で読んだことがある読者にとっても
また違った楽しみ方ができそうな内容だ。

しかし…私にはこの分厚い短篇集は苦痛でしかなかった。
どの作品も読了後にモヤモヤ感が残り、
なんともすっきりしない。
1冊読み終わった時も、あぁやっと終わった…という感じ。

こんなことを言うとたいていまわりから非国民扱いされてしまう。
村上春樹作品の良さがどうしてわからないの?
信じられない~!!ってな具合。

別に村上作品をけなしているわけではない。
私の好みに合わないだけのことだ。

大学時代に読んでいたら、もしかしたら
違っていたのかも知れない。
何しろあのころは映画にしても小説にしても
ちょっとわかりにくいのを好んで選び
友人と夜通し語り合ったりしたものだ。

読解力なし、時間なし、余裕なしの私には
ストレスをためるだけになってしまった。

『小生物語』 乙一

小生物語
小生物語

WEB上の日記を本にしたもの。

とにかく面白い。
最初っから最後までとにかくニヤニヤしっぱなし。
周りにいた友だちにも朗読してあげて(無理矢理)

「ね、ね、面白いやろ!面白いやろ!」(これまた無理矢理)
どこまでが現実でどこからが虚構なのか
どれが乙一さんのことで、どれが小生のことなのか
だんだんわからなくなってきて…
それがまた楽しい。
本文についての注釈がそえられているのだけど
これが何頁にもわたるものもあったりして
どっちが本文だかわからなくなるくらい。

とある場所で金魚を飼うお話は
どーしてそこまで想像がふくらむかナァと
感心すらしてしまった。
ガンダルフの話も笑えた。

ひと通り読み終わってあとがきで
またもうひと笑い。

とにかく久しぶりに笑える本だった。

『義経』宮尾 登美子

義経
義経
宮尾 登美子

旬のお話。

しかし、これは失敗。
簡単な解説本だった。

『宮尾本 平家物語』を読むべき。

本日の図書館借り出し本

■■■ 本日の図書館借り出し本 ■■■

『象の消滅』 村上 春樹/新潮社
『グランド・フィナーレ』 阿部 和重/講談社
『チョコレート・アンダーグラウンド』 アレックス・シアラー/求龍堂
『マイ・グランパパ ピカソ』 マリーナ・ピカソ/小学館
『ロードス島攻防記』 塩野 七生/新潮社
『右脳がぐんぐん目覚める4倍速CDブック』 七田 眞/総合法令

最近あまり読書時間がとれないので
今回はちょっと控え目に借りてきた。
『義経 下』を楽しみにしていたのだけど
1週間以上とりにいかなかったら
次の人にまわってしまっていた。

『象の消滅』はペーパーバックっぼくて
素敵な装丁。
『グランド・フィナーレ』と『チョコレート・アンダーグラウンド』は
返却棚にあったので思わず手に取ってしまった。
『マイ・グランパパ ピカソ』はピカソの孫娘が書いた
ピカソおじいちゃんの実像らしい。
これも返却棚にあったので借りてみた。

塩野七生は以前から読みたかったのだけど
なかなか在庫がなくて
今日もこの1冊だけがやっとあった。

『カバー、おかけしますか?』

カバー、おかけしますか?―本屋さんのブックカバー集
カバー、おかけしますか?―本屋さんのブックカバー集

小学生だった私は、大学生の兄の本棚に並ぶ
紀伊国屋書店のカバーがかけられた本が
なんだかとっても大人の世界のような気がした。
当時、本はもっぱら学校の図書館利用で
書店で本を買ったことがなかった。
それに紀伊国屋書店は家からは遠く
小学生の私の行動範囲外だった。
うらやましくて、カバーをはずして
自分の本にかけてみたりもした。

中学生のころ、文通をしていた相手と
お互い読んだ本を送りあって交換していた。
遠くに住んでいた、その人から送られてくる本には
見たことのないカバーがかけてあって
それがとても楽しみだった。

本読み好きにはこんな風に
何かしらカバーにまつわる懐かしい
思い出があるもの。

この本はそんなカバー(書皮というらしい)を
全国から集めている。
なんでも書皮友好協会というものがあるらしい。
掲載されている書皮は折り跡がついたものや
使用感のあるものも多く、
コレクションにだけ走らずに
ちゃんと使われているのね…と好感が持てる。

最近はもっぱら図書館利用で
書店から遠のいてしまっている。
これを見ると、旅行先なんかで
その土地の書店のオリジナルカバーを
集めたくなってしまいそう!